2015年7月8日水曜日

こーじアンテナ!



 ○ そもそも僕はウルトラマンのデザインの要素要素について、元生徒としてファンとして当然成田氏の功績は大きいとは思っているんだが、例えばそのウルトラマンのとさか部分はウルトラマン以前にはなかったのかというと、もしかしたら昭和30年代後半からのヒーロー漫画にはあったかもしれないし、マスクシステムという意味では僕は七色仮面も評価はしているわけで、ならウルトラマンを成立させているのは何なんだろうというと、やっぱり成田氏が画家で彫刻家であるがゆえの抽象芸術への方向性も含めたセンスと、アイデア性によるところが大きいんだと思う。で、ウルトラマンといえばあのマスクと銀と赤の流線型の身体(とカラータイマー)だったりする。
  そしてそのマスクを基本に、ウルトラマンは色々な顔や頭のかざりやデコラティブなプロテクターなどで再生産されてきたんだけれど、しかしなら、あのマスクの中で何がウルトラマンをウルトラマンたらしめているかというと、それぞれの要素は成田氏がもたらしたもの、もしくは成田氏以前からある要素だと思う。
 例えば成田氏はあの省略された鼻とアルカイックスマイルをヒューマンでも使った。それはつまり、それは成田ヒーローのオリジナリティーでありウルトラのためだけのものではない、って事だ。以降商業ベースに乗らなかったオリジナルデザインのマヤラーや天空人(MU)やネクスト(これについてはまた僕は書くと思うが省略)のデザインでもあの鼻と口は使われている。
  だから多分、先生がウルトラマンのオリジナリティーとして使ったものはあの目で、セブンもそうだと言えるだろう。だが、マンのダイヤカットの目をなしているダイヤカットの部分が元の初稿どおり顔全体もしくは全身にいたるなら、それはウルトラマンとは別のアイデンティティーの筈だ。(まぁそれに近い事は僕の個人創作でも描いた事はあるし、最近のライダーウィザードのインフィニィーもそれに近い発想なんだけど)
  つまり、ウルトラマンのデザインを占めている要素は成田デザインの要素で、もしくはオープンソースである所から来た要素が多い。本当は僕ら生徒がデザインする時にあの鼻からの線やアルカイックスマイルを使っても、問題ないはずで、本来はそれが石森プロや手塚プロや藤子プロがやっている「継承」ってものなんだろうが。
  (まぁ僕に対してあったいじめ状態のように、それが上手く行かないような年功序列や有形無形のプレッシャー的高年齢からの生徒圧力というのが成田教室にはあり、おそらく成田氏周辺でのプロダクション化は(その年功序列ゆえに)ありえなかったんだろうと思う。成田プロ化が不可能だったのは、それも理由だと僕は思っている)
  成田氏のモ・ブルがそれに近いけどあれもヒューマンの為の、アニメでいう製作委員会会社みたいな雰囲気だから、集合→製作→解散の繰り返しみたいに見えるし。
  僕同様鬼彫刻手伝いのメインスタッフだったT笠君とI田君達(僕同様弟子扱いだった人々)が後にワンフェスで「鬼工人」ブースを出してるんだが、まぁ軋轢や時流に合う合わないってのもあったろうし。先生のデザインの立体化だから作家力は測れなくても、造形力は凄い人々だったから。まぁ前も書いたけど、年功序列化してるとどうにもならんと先生も思ったから弟子認定してたんじゃないかと思うんだよね・・・
  ・・・で、僕が描いたタマゴナイト(ポップアップ広告に負けずに同人サイト見てくれてる人は既知だと思うが)がタマゴの殻の割れたところをモチーフにしていると、今度はウルトラマンXがそれに近い要素を入れてくるわけだが・・・オリジナルデザインに対して色んな要素を入れて新しいっぽいヒーローを作るというのは、まぁライダーでもやってる事なんだが(その結果ライダーオーズとか、複眼なのに全部哺乳類モチーフという感じになってしまっているが・・・ン百ン十種類の変身パターンとか、うーむって感じだよなぁ)
  でも先生が言ってたのは「デザイナーってのは美術や芸術からいい所を吸収して描く、芸術家ではない芸術的な職業だ」って厳しい言葉で・・・だから逆に、僕の現状モノクロや色鉛筆メインの創作デザインでも、別の人の創作意欲を刺激してそれが僕にとっての枝葉になって行くのなら、それも芸術の一つなんだよな、って事で、そういう作品を今後も作れたらな、ってのが僕の願いではある。・・・ウルトラマンとライダーは今後も見ます。
  僕の望む望まないに関わらず、僕も誰かの枝葉になってきてるのかもしれないし、そこはキャッチボールみたいなもんじゃん。僕が写真家だれそれの枝葉であってもそれは許容!みたいな。F●Sについては僕的にもうどうしようもない!とか。色々あるじゃん。
  子供の頃からいじめも転校もあったし、成田先生を少年の頃から見てきたのだから、世の中が不条理なのは骨の髄まで知ってるよ。作品作りは最初から一人ぼっちの闘いだしね。不条理とか、もう、そういう事じゃないんだ。・・・うん。 (2015_7/8 5:04)

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