● http://mainichi.jp/select/news/20150309k0000e040176000c.html
「ちいさいモモちゃん」や「龍の子太郎」などの児童文学で知られる作家の松谷みよ子さんがなくなられたそうです。89歳。 自分が子供の頃最初に読んだ松谷さんの本は多分浦和(現さいたま市)の小学校1年の時、学級文庫か何かで読んだ「ちいさいモモちゃん」だった。表紙のモモちゃんたちのお人形さんがかわいくて、それで多分学級文庫か何かで読んだんだけど、確か「ちいさいモモちゃん」「モモちゃんとプー」は学級文庫にあったのに、3冊目のモモちゃんとアカネちゃん(74年に出たばかり)が無かった。 それで両親に頼んで「モモちゃんとアカネちゃん」を買ったんだけど、(当時はわからなかったが)つまりモモちゃんたちの両親の離婚を描いた作品で、しかし小1の僕にもこの作品が底知れない殺伐としたものを抱えている事は解り、「木が・・・木が歩いていくわッ・・・・・!!!」の所では、小1の僕に戦慄が走った事を覚えている。その後4冊目くらいまでは読んだけど、なんというかその後は心境回復が出来そうにないので読んでない。 「龍の子太郎」は講談社の52冊全集で読んだ。これも結構怖い話で、松谷さんの文学はどれもこれも怖い話だなぁ、キビしぃなぁ、と思った事を覚えている。ていうかライダー電王は、桃太郎、浦島太郎、金太郎、龍の子太郎で、リュウタロス、の筈なんだけど、龍の子太郎は作者存命の創作童話なので、作品で龍の子太郎が云々言わなかったのはみんな知っての通りなわけだが。あと「まんが日本昔話」のOPあにめも龍の子太郎がモチーフなんだよなぁ。でも創作童話なんだよなぁ。 つまりそれくらい日本の児童文学に貢献していた方なんだけれども、やっぱり文部省とかそういう方向性に沿った方であるような気もする反面、なのにこんな「子供の事をまるで本気で考えているのかどうか?(いや思っている筈なのにこうなるのは何故か?)」という大人達の、どうしようもない殺伐感を、一貫して描き続けた作家さんはいないと思う。 なのに。なぜか文部省などが推薦したりしていたのが、まるで後の教育パパママや離婚パパママたちの弁護をするような勝手さに見えて、僕は「なんともなぁ」と思っていた・・・んだが、そんな時代ももっと激化し、いまや小学校の子供達の両親の離婚率も4人に1人になったりしていて。 ・・・だから、そういう人々やその子供たちが「モモちゃん」や「龍の子太郎」を読んだらどんな気持ちなのだろうか。大人に優しくなるのだろうか。それとも大人に諦念を持つに至るのだろうか。子供が優しくなる可能性は無くないが、僕には判らない作品群なのかもしれない。 ・・・ただ、そんな僕でも「ちいさいモモちゃん」「モモちゃんとプー」までの2冊は本当に楽しく読んだ。小1の僕が無条件に共感できる限界はそのあたりまでだったのかもしれない。 (wikiによると、3巻以降は特に私小説化してるんだよなぁ・・・; 2015_3/10 3:50)
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