◎ 「仮面ライダードライブ」と「ニンニンジャー」の劇場版を見てきました。
先に「ドライブ」の感想を書くと、ストーリーもテーマもこれまでのテレビなどと組み合わせて見るとしっかりしてたし、単体でも結構燃えるしイイ映画だった。まぁどこでも何度も言われてますが泊進之介とベルトさんと霧子の映画です。でも、それ以外の特状課の課長もメンバーも(今のテレビシリーズもそうなんだけど)最高レベルの演技を見せていて、マッハもチェイスも最高で、ドラマチックです。演技の良さも何もかもボルテージふっきってます。あと、千葉真一氏の息子さんの真剣佑君がすごくイイ味!&イイ演技をしてます。
なんというかこの映画は単体で見ると 「泊巡査=仮面ライダードライブとベルトさんと、未来から来た息子エイジのドラマ」・・・。で、その親子をめぐる悲劇と、泊巡査とベルトさんたちの、自身の命を正義のためにかけている、その意思や絆を証明するための映画・・・と言っていいんだと思う。
特にテレビとつなげて見てる側として書けば、泊家は父親も泊自身もそして息子も、警官として人間として、正義を貫くたびに最悪の悲劇を迎えているわけで・・・(結構・・・悲しいかな共感してしまうが)、そういう「正義を貫いたがゆえの悲劇」って、多分世の中の「俺が正義だ」と思っている人々は誰でも形は共感すると思うんだけど、しかし「悲劇に辿り着かざるを得ないほどの正義って・・・?」ってのも、ある意味意識させてしまう映画だったと思う。
この映画はもう一度書くなら(映画だけじゃなく「仮面ライダードライブ」というドラマ全体がそうなのかもしれないが)、各登場人物の正しさというか「正義」が各々とことん試されるというか、それを彼らが身をもって証明しようとするドラマ。なんだけど・・・そこに出ました「警察の威信」という名の定番ステロタイプドグマ!!(←怪獣怪人かよ!) だけど、実はそんな「警察の威信意識」は主人公たちの状況を悪くするだけのものであって、主人公の泊自身は仲間の警察に疑われるとかそんな事、実は な ん っ と も 思 っ て 無 い のであって、それがこの物語の大きなテーマになっている。霧子の言うとおり!!そして主人公たちは奇跡を起こす。いやー見てて鮮やかというかスカっとした!
最近の劇場版はタイムリープものが多くてなんだかなと思ってるけど、タイムリープもののカタルシスは、鮮やかなパラドックスにあるので、その点は本当に今回の映画はきれいにおさまってたなと思います。
なんていうか久々仮面ライダーが「小学校の中高学年以上向け」に戻ってきたかな?って感じです。でも、多分頭のいい子なら幼稚園児でもこのくらいのストーリーは理解できてるのかも。(ていうか僕は幼稚園ごろにはタイムマシンとか理解してたし、多分ドラえもんやタイムボカンを見てきた子たちは、子供でもタイムマシンは理解してるんだよな )
結構泣ける場面も多かったです。自分が泣けた所は、ベルトさんと泊巡査の会話部分全般とか、旧ドライブピットの所とか、課長と霧子からの古葉参事官(笑;いや、柳沢氏いい演技でした!!)へのセリフとか、まぁラストまで色々。直前見てた「弱虫ペダル劇場版」のせいもあるけど涙腺ゆるみまくっててどうにもなりませんでした。あ~~~~~
旧ドライブピットの車達をみながら、ベルトさんはこういう車への思いをシフトカーたちに込めてたんだなぁとか。いや、アクションもすごかったですよ。ロイミュードが建機を変化させてデカブツモンスターロボットにしたのとチェイサーが戦ったシーンとかあまりにもカッコ良すぎてスカっとしたし、タイプ超デッドヒートと、タイプスペシャルも、前評判で見た時にはナンダカナーってデザインに見えたけど、映画のドラマの中で見てみるとかなりカッコ良かった。マッハも苦闘してたけど、ちゃんと見せ場あったしね。(でもテレビではチェイスが死んじゃったよ・・・あぁ・・・あぁ・・・ )
いや、しかしこの「仮面ライダードライブ」でのクリスペプラー氏の声優としての実力は、もうあまりにも物凄いというか、いくら力説しても止まらないじゃん!って程で。最初に滅茶苦茶すごいなと思ったのは、テレビ版のクリム博士の研究所焼け跡で、泊巡査に語った独白というか、あのシーンなんですが、言葉に実は「死者」だという雰囲気がにじみ出てた点が、もうそこがすごかった。優しいところは徹底して優しいんだけれど、なんていうかコミック版後半の「本郷猛」のポジションなのかもしれないなと思い当時は見てたわけだけど。
その凄さ、僕的にアニメや特撮や映画は山ほど見てるわけだけど、クリスペプラー氏のベルトさんの声から以外、ここ十年以上聞いた事がなかったわけで、それこそ声優さんたち何やってたの!って位です。
で、今回の劇場版でもそのすごさは充分過ぎるほどで、最高でした。そう考えると泊役の竹内氏もものすごい演技をしているんだよな・・・視聴者の子供が大人になって特撮ファンになったら、嫌でも気づくんじゃなかろうか。凄い!!って。
何というか、このドラマのラストシーンのベルトさんのセリフは、まぁ僕から見ると普段なら「うーん」と思ってしまうセリフなんだけど、でも観客の子供に対するセリフとしては、そう言わざるを得ないのがライダー作品なんだろうな、って気はしました。それが運命だったと知って納得して死ぬのは、それこそ後々でいい。ていうかあのベルトさんの「未来は・・・」ってセリフは、僕にとっても希望にはなってるよね。つまりあのラストまでの悲劇とか希望とかをみんな観客が見た上で、ベルトさんのセリフを納得できれば、すごくいいテーマの映画として、記憶に残るのではなかろうかと。
ただ、もう平成ライダーも始まってから15年近く経ってるわけで、毎年ベルトなどにギミックが多いでしょ?だから多分イチゲンさんでライダー見ようかなと思う人は、「毎年のベルトの新ギミック」とか「今年のライダーはこんなんだったのか」であれよあれよで終わっちゃうと思うんだよね。その辺はやっぱり多ギミックベルトライダーのドラマ上の欠点なんだけど、今回の映画の場合は、最初に提示された前情報から想像していたテーマ・・・は、ベルト破壊シーンまでで、そこから先は、もう本当に想像以上のテーマを内包していたアクション作品になっていたので、すごく満足です。
(あ、あと塚地氏とかゲスト参加の方々の演技も楽しかったです。ひでーんだけど憎めないというかw やはりダイオウイカロイミュードとかで出て欲しかったというのは欲ばりすぎだろうか)
いやー、あんまりにも感動したんで、なんか久々に泊一家とロイミュードたちの10年後を想像した物語のプロットとか一気書きしちゃったんだけど、その直後にチェイスは死ぬしブレンも死んでるし、次回あたりメディックもやばいし・・・多分お蔵入りだなぁ・・・。でもそんな妄想話も書いてしまいたくなるほど、いい映画でした。仮面ライダードライブという作品の真価というか、全体像を把握するためにも見た方がいい映画だと思います。◎です。 (2015_9/10 2:24~3:06)
※ あとニンニンジャーの映画も、アクション満載というかアクションのための映画という感じですごく楽しく面白かったです。なんていうか、本当に両方とも家族向けの映画で、しっかり親世代にも何か伝わるように作ってるんだろうね。
自分には子供がいないのでその辺は想像するしかないというか、彼女でもできて子供が生まれた時じゃないと今回のニンニンジャーみたいな映画を本当には楽しめないのかなぁと思い、その辺がちょっと感想を書きづらい理由ではあるかな。ていうかニンニンジャーとかだと、アクションとテーマは完全に遊離というか分離というか、ぶつ切り状態なわけなので、映画館のエンターテイメントとして成立してればいいわけじゃん。
その割り切り方には文句言う気はないし、むしろ賛成。あえていえば、緻密じゃなくて、シンプルな物語に対してこれだけ色々特撮やらアクションだの付け加えられるアバウトな余裕ってのは、戦隊映画の持ち味ではあるよな、昔から。
なので戦隊モノの感想は僕には向かない(笑)。けれど面白かった。 (でもこれだけ詰め込むと緻密でなくても緻密に見えるほどジェットコースターになる・・・ってのが面白かった。いやアバウトな話なんだけどさ、気合の入れ方が大爆笑レベルにぱねぇwww って。 2:33)
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