2016年4月3日日曜日

こーじアンテナ!

◎ 「仮面ライダー1号」についての感想はFacebookの方にも若干書いたんだけど、多分見る人によって評価が異なる作品だろうなとは思う。・・・藤岡弘、の本郷猛がが2016年の現在でもものすごくカッコいい、というのが見れて大満足!!ってのもあるんだが、藤岡氏が企画から関わっていた事もあり今回はテーマ描写的にかなり良かった。良かったが、旧仮面ライダーシリーズの語り口を知らない今の子供たち(平成がメイン体験の若者たち)には判らない所も多いかもしれない。

  大体昔の変身ヒーローというのは「サイボーグ」なり「改造人間」が結構多かったし、自分にとっても変身ヒーローのイメージは、宇宙人かサイボーグかってイメージがほとんど。ところが今の青少年たちには「人体に外科手術で機械や人工筋肉、人工内臓などを埋め込んだ改造人間」というイメージが無い。   だから最初の仮面ライダーの「改造人間の哀しみ」というイメージがピンとこないんだろうなぁと。仮面ライダーBLACKもしくはクウガまでがそういう哀しみの描写としてはギリギリだと思うんだが、1号まで露骨じゃないからなぁ
  まぁそれはそれとして、今回の映画で表向きの「命の尊さ」というテーマの他、さりげなく語られている小テーマの一つに「暴力」というものがあるんだと思う。イントロの映画アバンタイトル前に本郷の現在を描いたシーンが若干あるんだが、そこで本郷の現在までの状況が結構荒んでいる事が明かされる。世界を回りながら戦争や暴力と戦い続けてきている本郷に対して地元のチンピラ?が暴力を振るおうとするわけだが、その描写が実は結構大きくて、今回の物語の主張の導入部になっている。
  そして、本郷が立花麻由(すごくかわいい!!演技派です)と再開した後にちょっときつい仕打ちを受けるシーンがあって、実は軽くそのシーンもイントロの暴力シーンと、つながっている。ていうか、多分そのシーンは昭和当時の仮面ライダー旧1号が登場した13話分が好きな人にとっては、緑川ルリ子が本郷に対して最初に誤解からした仕打ちを思い出す所なんだけど。に対して本郷は、旧シリーズではコップ素手でつい割っちゃうような男なわけじゃないですか。そんで、その辺の改造人間の哀しみにひとつの決着が付く話だと思うと、結構感動するんだよね。
  ・・・・・・・・麻由についても、彼女も言ってみれば立花藤兵衛や本郷同様、「この世に悪がはびこっているためにまともな家庭的幸せを得ることができずにきた少女」って存在なんだと思う。まぁそういう風には必ずしも劇中では言われてないし、立花藤兵衛の孫がそういう不満は言わないだろうから、あれでもすごく強い少女なわけで・・・そういう、絶え間ない悪の存在ゆえに犠牲になってきた男と少女の物語だ、という見方も出来る。で、そういう見方を出来るかどうかは、結構観客に委ねられてるんだよね。だから評価が割れるんだと思う。
  人によっては「そこって大した描写か?」って思う所が、実は旧1号シリーズ好きな人にとっては琴線に触れたりもする。
  ・・・ちなみにあんまり怪奇性はありません(笑)。まぁ怪奇性についてはライダーFIRSTとNEXTでやったじゃんというのがあるので多分井上脚本は(爆)

  あとノバショッカーについてだけど、まぁ2ちゃんで中傷やらかしてる連中の総元締めのような元スタッフが分離して経済やりながら各所威圧して色々牛耳ろうとしているようなものだと考えればいいんだが。で、世界支配ではなく世界経済支配をしようとしていて、なんだか電力自由化ネタが入ってきたりもしている(日本のエネルギーや電化製品を海外から来たショッカーのような悪に牛耳られたらどうなるのか?というテーマもある)で、彼らは映画の中では実際絶大な権力を得てしまうんだが、そんな時に本郷はどう生活してみせているのか?・・・って対比が見所なわけで。日本を牛耳り経済や科学技術を牛耳るノバショッカーの極大さに対する、ごく個人的で本当にささやかな本郷たちの・・・ってそこだと思う。
  ライダーは「大自然の使者」だという昭和シリーズの設定どおりに本郷は今まで生きてきて(改造人間であるライダーが自然の使者を名乗ってるのは矛盾なんだがそうありたいという彼の願いであり)、そこがあぁ昭和当時の本郷たち仮面ライダーは嘘言ってなかったなと、そのまま生きてきたんだな、って思わせる場面だったりしたわけ。まぁ本郷のマグロ解体とか真剣演舞も見たかったけどね・・・でもマグロ一匹高いだろうし、刀を持てば強いのか、って昭和ライダーのテーマ的にはノーだろうし。
  あとはアクションが相当しっかりしてた・・・っていうか、藤岡弘、氏のアクションのキレッキレな所と、1号を演じた岡元氏(映画見てる間はほぼ一体化していて意識しないが)の熟練的なライダーバトルが見れるのが大きい。
  ゴースト勢は・・・まぁラストのライダー魂系変身連発はガチャガチャうるさい所ではあったけど・・・でもキャストはいい演技でした。良かった。
  本当はこの映画については色々書きたい事がもっとある・・・でも、僕はあんまり「継承」だの「絆」だのという言葉には興味がないし、そればかり言う子供向け作品というのもあんまり好きじゃない。最近の仮面ライダーものや子供番組がそればかり言ってるのも多少イラっと来る所ではあるし、もはや日本国内で地位築いちゃった「仮面ライダー」というジャンルを今更応援してどうなる(既得権益が出来ちゃってるもんなぁ・・・)って意味で応援する気が薄いわけだけど。
  。。。でもこの「藤岡弘、主演」の「仮面ライダー1号」を僕が傑作だと思った事は間違いなく。多分スタッフやプロデューサーや脚本家が思ってる所じゃ無い所がイイんだと思う。すごく強いメッセージがあるって事は確かなんで、すごく満足感ある映画だと思います。(2016_4/2 4:51)



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